破風板とは?放置NGな劣化症状とメンテナンス方法[神戸市でよくある破風板トラブル10例]

①破風板とは?どこの部分?
破風板(はふいた)とは、屋根の側面の端に取り付けられている板状の部材のことです。
特に切妻(きりづま)屋根のお住まいでは、三角屋根の両端についている板が破風板です。
横から家を見たときに、屋根の端を囲うように取り付けられている板があれば、それが破風板だと考えていただいて大丈夫です。

破風板の主な役割
- 風から屋根を守る:強い風が屋根の内部に吹き込むのを防ぎ、屋根材がめくれ上がるのを抑えます。
- 雨水の侵入を防ぐ:屋根の端は雨水が集まりやすい部分です。破風板があることで、屋根内部や構造材への雨水の侵入を防ぎます。
- 見た目(デザイン)を整える:屋根の端がむき出しにならず、外観がすっきりと整って見えるようにする役割もあります。
軒天・鼻隠しとの違い
混同されやすい部位として、軒天や鼻隠しがあります。
- 軒天:外壁から外側に出ている屋根の「裏側(天井)」部分
- 鼻隠し:雨樋が取り付けられている横一列の板。(和風住宅でよくみられる)
これらはまとめて「付帯部」と呼ばれ、外壁塗装・屋根塗装と一緒にメンテナンスするのが一般的です。
②破風板が傷むとどうなる?放置するリスク

「少し色あせているだけだから大丈夫かな」と思って放置されがちな破風板ですが、実はリスクも少なくありません。
見た目だけでなく、防水性能も低下
最初は色あせや塗装のはがれなど、見た目の変化だけに感じられますが、塗膜が傷むと防水性が落ち、雨水を吸いやすくなります。
その状態が続くと、下地の劣化が一気に進みます。
ひび割れ・反り・腐食の進行
塗装の劣化を放置すると、ひび割れ、板の反り・変形、木部の腐食などが起こり、塗装だけでは直せない状態になることがあります。
釘やビスが効かなくなり、強風時にバタつきや剥がれが発生する危険もあります。
雨漏りや落下事故の原因になることも
破風板の腐食が進むと、破風板から雨水が回り、軒天・屋根内部の木部まで腐らせてしまうことがあります。
台風などの際に破風板の一部が脱落する可能性もあり、危険です。
本来なら塗装だけで済んだはずが、交換工事+板金工事が必要になってしまうことも多いため、早めの点検・メンテナンスが結果的に一番の節約になります。
③破風板の劣化症状チェックリスト

ご自宅でもできる、破風板セルフチェックのポイントです。必ず安全な場所から、無理のない範囲でご確認ください。
こんな症状は要注意
- 色あせが目立ち、新築時よりかなり薄い色になっている
- 塗装がはがれ、木目や素地が見えている部分がある
- 手で触ると白い粉が付く(チョーキング現象)
- 板が波打って見える、反っている部分がある
- ひび割れや隙間ができている
- 雨上がりに破風板周りが黒ずんで見える
- 釘頭まわりからサビ汁のような跡が垂れている
- 風の強い日に、屋根の端から「バタバタ」「ミシミシ」といった音がする
1つでも当てはまる場合、破風板や周辺部材の劣化が進んでいる可能性があります。
高所作業は大変危険ですので、詳細な点検は専門業者に依頼されることをおすすめします。
④破風板の素材の種類と特徴/メリット・デメリット

破風板の素材によって、劣化の仕方やメンテナンス方法、メリット・デメリットが異なります。代表的な4種類をご紹介します。
木製破風板
【メリット】
- 加工性が高く、職人が現場で細かい調整もしやすいため、さまざまな屋根形状に対応できます。
- 木ならではの柔らかい質感があり、和風洋風どちらのデザインにもなじみやすく、塗る色によって雰囲気を変えやすいのも特徴です。
【デメリット】
- 水を吸いやすい素材のため、塗装が傷んだ状態で放置すると、腐食や割れが一気に進行しやすくなります。
- 長く安心して使うには、7〜10年程度ごとの定期的な塗り替えがほぼ必須で(神戸市など海の近くは4~5年ごとがおすすめ)、メンテナンスを怠ると交換工事が必要になるリスクが高まります。
ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)破風
【メリット】
- 不燃性が高く、火に強い素材のため、軒天や破風などに広く採用されている安心感のある材料です。
- シロアリ被害を受けにくく、比較的安価で導入しやすいことから、コストと性能のバランスが取りやすい点も大きなメリットです。
【デメリット】
- 強い衝撃には弱く、特に角部分に欠けやひび割れが出やすいため、台風や飛来物の影響を受けると傷みが目立ちやすくなります。
- 吸水性があるため、塗装の劣化や継ぎ目シーリングの切れを放置すると、水を含んで反りや劣化が進みやすく、定期的な点検と塗装が重要になります。
窯業系(セメント系)破風板
【メリット】
- セメントを主原料としたボードで、耐火性強度に優れており、戸建住宅で非常によく使われている実績のある素材です。
- 製品バリエーションが豊富で、外壁材との相性も良く、デザイン面でも選択肢が多いため、トータルのバランスを取りやすいという利点があります。
【デメリット】
- ケイカル板と同様に吸水しやすく、経年とともに細かなひび割れや角欠け、ビス周りの割れなどが起こりやすい点に注意が必要です。
- 価格帯としてはケイカル板よりもやや高めの製品が多く、塗装やシーリングをきちんと維持しないと、内部に水が回って劣化が早まるリスクがあります。
金属製破風板(ガルバリウム鋼板など)
【メリット】
- ガルバリウム鋼板などの金属製破風は、サビに強い製品も多く、トータルの耐久性・メンテナンス性に優れているのが大きな魅力です。
- 既存の木製や窯業系の破風板の上から「板金巻き」を行うことで、見た目をスッキリさせながら、耐候性も同時に高めることができ、長期的なメンテナンス負担を軽減しやすくなります。
【デメリット】
- 初期費用は木製・ケイカル・窯業系に比べて高くなるケースが多く、予算とのバランスを考えて採用を検討する必要があります。
- 継ぎ目や端部の処理が不十分な場合、そこからサビや浮きが生じることがあるため、施工品質や細部の仕上げがとても重要になります。
このように、同じ破風板でも素材ごとに弱点や適した塗料・工法が違うため、工事前に「どの素材か」を正しく把握し、それに合わせたメンテナンスを行うことが、お住まいを長持ちさせるポイントになります。
⑤破風板のメンテナンス方法(塗装・補修・交換)

破風板の状態に応じて、主なメンテナンス方法は「塗装」「部分補修・板金巻き」「全面交換」の3つに分けられます。
塗装で対応できるケース
劣化が比較的軽く、腐食や大きな割れがない場合は塗装でのメンテナンスが可能です。
- 高圧洗浄・清掃
- ケレン(古い塗膜やサビ・汚れを落とす下地処理)
- 下塗り(素材に合ったプライマー・シーラー)
- 中塗り・上塗り
外壁塗装や屋根塗装と同じタイミングで行うことで、足場を共通利用でき、費用面でもお得になります。
部分補修・板金巻き
「一部だけ腐食が進んでいる」「塗装してもすぐ痛みそう」という場合は、腐っている部分のみを交換する部分補修や、
既存の破風板の上から金属板をかぶせる板金巻きを検討します。既存の状態とご予算に合わせてご提案します。
全面交換が必要なケース
- 指で押すとフカフカしている
- 触るとグラグラ揺れる
- 穴があいている、一部がすでに脱落している
- 釘・ビスが効かず、固定できない
このような場合は塗装だけでは対応できず、交換が必要となることが多いです。
どこまでが塗装の範囲で、どこからが交換かは現場を見てみないと判断が難しいため、気になる症状があれば一度点検をおすすめします。
⑥破風板メンテナンス 周期の目安と費用

以下はあくまで一般的な目安で、立地条件・周辺環境によって変わります。
破風板メンテナンス 周期の目安
- 木製破風板:おおむね7〜10年ごとの塗装が目安。(神戸市など海の近くは4~5年ごとがおすすめ)
- ケイカル板破風:外壁や軒天と同じく、7〜10年ごとの塗装と継ぎ目シーリングの点検が目安。(神戸市など海の近くは5~7年ごとがおすすめ)
- 窯業系破風板:外壁塗装と同じタイミング(10年前後)での塗装・シーリングメンテナンス。
- 金属製破風板(板金巻きなど):寿命は長めですが、つなぎ目のシーリングやサビの有無の定期点検が必要。
破風板メンテナンス 費用面の考え方
- 外壁・屋根塗装と同時に行う場合:足場を共通で使えるため、破風板だけ別で工事するよりトータル費用を抑えやすい。
- 破風板のみ単独で工事する場合:2階建て以上だと足場が必要になるケースが多く、割高になる傾向。
そのため、外壁塗装・屋根塗装のタイミングに合わせて「破風板・雨樋・軒天」などをまとめてメンテナンスするのがおすすめです。
具体的な金額はお住まいの大きさや傷み具合により大きく変わるため、現地調査のうえでのお見積りが確実です。
⑦神戸市の破風板について

神戸市ならではの地形・気候と破風板への影響
神戸市は南側に瀬戸内海、北側に六甲山系を抱えた、全国的にも珍しい「山と海にはさまれた地形」の街です。
同じ神戸市内でも「海に近いお家」と「山側・斜面地のお家」では、破風板の傷み方や注意点が少し異なります。
海沿いエリアの特徴(中央区・灘区・東灘区・須磨区・垂水区など)
神戸港や須磨海岸、舞子・垂水エリアなど、海に近い地域は潮風の影響を受けやすく、破風板や屋根の端に塩分を含んだ風雨が当たり続けることで、サビや塗装の早期劣化が起こりやすい環境です。
六甲山の山麓・斜面地エリアの特徴
六甲山の山麓に広がる住宅地や、坂道・階段地の多いエリアでは、風が集中して当たりやすい面や、雨が吹き上げやすい場所ができやすく、破風板への負担も大きくなりがちです。
強風による反り・浮き・ビス抜け、カビや藻、黒ずみ汚れなどが起こりやすくなります。
突発的な大雨・台風への備え
神戸市は一年を通して比較的温暖で過ごしやすい一方で、梅雨前線や台風の影響で局地的に激しい雨風にさらされることもあります。
強い雨風のとき、破風板の継ぎ目・釘周りから水が回り、破風板内部〜軒天〜屋根内部まで腐食が広がるケースもあるため、
普段は穏やかでも、ときどき強い雨風にさらされることを前提にメンテナンス計画を立てることが大切です。
神戸市でよくある破風板トラブル10例
神戸市でよくある破風板トラブル10例①
築10〜15年、破風板の色あせ・チョーキング(初期劣化)
新築時より明らかに色が薄くなり、触ると手に白い粉が付く状態は、塗膜の劣化が進んでいるサインです。
放置するとひび割れ・反り・腐食につながるため、外壁・屋根塗装と同じタイミングで再塗装するのがおすすめです。
神戸市でよくある破風板トラブル10例②
海沿いエリアの塩害によるサビ・塗膜の早期劣化
釘頭や板金部分にサビが出たり、サビ汁が垂れた跡が見られるケースです。
塩分を含んだ風雨が当たり続けることで腐食が進みますので、サビ落とし+サビ止め+塗装、場合によっては材質変更も検討します。
神戸市でよくある破風板トラブル10例③
台風後に見つかる破風板のひび割れ・浮き
台風後に「バタバタ音」がしたり、破風板の一部が浮いて見える場合は要注意です。
強風や飛来物の影響で固定部が傷んでいる可能性があるため、部分補修で済むか交換が必要か、早めの点検が大切です。
神戸市でよくある破風板トラブル10例④
山麓・斜面地で多い、破風板の反り・隙間
六甲山の山麓や坂の多いエリアでは、風が集中して当たり続けることで破風板が反ったり、継ぎ目に隙間ができることがあります。
隙間から雨水が入り内部が腐食する前に、再固定や部分交換などの対策が必要です。
神戸市でよくある破風板トラブル10例⑤
継ぎ目シーリングの割れから始まる染み・黒ずみ
ジョイント部分だけ黒ずんでいたり、シーリングにひび割れ・やせが見られるケースです。
そこから雨水が入り、内部を濡らしたり乾かしたりを繰り返すことで黒カビや汚れが発生します。
シーリングの打ち替えとあわせて、破風板自体の補修も検討します。
神戸市でよくある破風板トラブル10例⑥
外壁塗り替え時に発覚する内部腐食
見た目はそれほど悪くないのに、職人が触るとフカフカしていたり、塗装前に破風板が割れてしまうケースです。
築20年前後経過、前回の塗装から10年前後経過した住宅でみられるケースです。
内部で腐食が進んでいることが多く、表面だけ塗っても長持ちしません。
腐食部分の切り取り・継ぎ足しや、区間ごとの交換が必要です。
神戸市でよくある破風板トラブル10例⑦
雨樋からの水はねで下端だけ腐るケース
破風板の下側だけ黒く腐っている場合、雨樋の詰まりや変形で雨水があふれ、いつも同じ場所を濡らしている可能性があります。
雨樋の清掃・勾配調整・部分交換とセットで、破風板の補修・交換を行うことがポイントです。
神戸市でよくある破風板トラブル10例⑧
築30年以上の木造住宅で、破風板が落ちかけている
目で見て分かるほど破風板が傾いていたり、釘が抜けかけているケースです。
長年メンテナンスされず木部がかなり腐っていることが多く、強風時の落下の危険があります。
足場を組んだうえで早急に撤去・交換が必要です。
神戸市でよくある破風板トラブル10例⑨
部分リフォームで素材がバラバラ、塗装ムラ・剥がれが目立つ
一部は木製、一部は金属と素材が混在し、塗装のツヤや色が不自然にムラになっているケースです。
素材に合わない塗料が使われていると、密着不良を起こして早く剥がれてしまいます。
今回の工事で素材や色をなるべく揃え、次回のメンテナンスが楽になる状態を目指します。
神戸市でよくある破風板トラブル10例⑩
外壁だけ塗り替えた結果、破風板の古さが目立ってしまう
外壁はきれいなのに破風板だけ色あせ・汚れが目立ち、家全体の印象を下げてしまうケースです。
美観の問題だけでなく防水性も落ちたままのため、できるだけ早めに破風板も塗装・補修を行うことが大切です。
神戸市で破風板メンテナンスをご検討中の方へ
同じ神戸市内でも、海沿いエリア・山麓エリア・内陸エリアで、破風板の傷み方やおすすめの工事内容は少しずつ異なります。
屋根パトロール神戸塗装では、お住まいの立地条件に合わせて、塩害・強風・雨だれ・結露などを考慮しながら、最適なメンテナンスをご提案いたします。
⑧神戸市の破風板に関するよくある質問(Q&A)

以下は、破風板に関して神戸市のお客様からよくいただくご質問とその回答例です。
1. 神戸市で、破風板だけ塗装してもらうことはできますか?
ただし2階建て以上ですと足場が必要になることが多く、破風板だけの工事だと足場代の負担が大きくなりがちです。
外壁塗装・屋根塗装とまとめて行う方が、結果的にお得になるケースが多いです。
2. 神戸市の気候だと、破風板は何年くらいで交換が必要になりますか?
傷みが出やすい木製破風板であっても、定期的な塗装のメンテナンスを行っていれば、築30年ぐらいでも交換する必要が無いお宅は多々あります。
神戸市は海が近く塩害の影響を受けやすいため、木製破風板は4~5年ごとの塗装をおすすめします。
3. 神戸市内で、点検だけお願いすることはできますか?
破風板だけでなく、屋根・外壁・雨樋・軒天など、お家全体をまとめてチェックし、写真付きで状態をご報告します。
「台風の後が心配」「海沿いなのでサビが気になる」など、気になるタイミングだけの点検も遠慮なくご相談ください。
4. 神戸市内での現地調査や見積りは無料ですか?
現地調査で状態を確認し、写真をお見せしながら劣化状況と工事内容をご説明します。
5. 神戸市では、何年ごとくらいに破風板のメンテナンスを考えた方が良いですか?
6. 海沿いですが、塩害対策はしてもらえますか?
サビに強い下塗り材・上塗り塗料の選定や、金属破風板の場合は端部や継ぎ目の処理をしっかり行うことが大切です。
現地の環境を確認しながら、塩害を前提にした仕様でご案内いたします。
7. 六甲山の山麓や坂の多いエリアですが、風が強くて心配です…
固定金物・ビスの状態を重点的にチェックし、反りや浮きがあれば補強や交換を検討します。
必要に応じて板金巻きで強度アップするなど、強風対策を意識したメンテナンスをご提案しています。
8. 神戸市でも、木製破風板から金属破風板への交換は増えていますか?
腐食しにくく、塗り替え周期を長くできる場合があるため、「今回しっかり直して今後の手間を減らしたい」という方に向いている選択肢です。
9. 台風などで破風板が壊れた場合、火災保険は使えますか?
ポイントは、①台風・突風・雪などの自然災害が原因で壊れたこと ②経年劣化ではなく「今回の災害で新たに生じた損害」と判断できること ③ご加入の保険に風災害等の補償が付いていること ④損害額が免責金額(自己負担額)を超えていること、の4つです。
実際に保険金が支払われるかどうかは、保険会社が契約内容と現場写真・見積書などをもとに判断します。
まずは保険証券で補償内容と免責額を確認し、業者に現場調査と写真撮影・見積り作成を依頼したうえで、保険会社または代理店に相談する流れが一般的です。
10. どのエリアまで対応してもらえますか?
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